NS-2535の不具合修理時に、RG精度不良のご相談に対して、実機確認させていただきました。
RGの精度不良は、レベルや上下テーブル平行度不良、中間板の調整不良であることが多い機種です。
特にアマダ社では移送時に「吊環」と呼ばれる専用ジグを用いて吊り上げ、荷下ろしを実施されますが、アマダ社提携輸送会社様や弊社のような専門工場しか常備していないため、中古機の輸送時には側板にワイヤーをかけて吊り上げ輸送されるケースがほとんどです。
※側板を吊り上げられると機械精度が狂うことがあるのでご注意ください。
この機械も自社で引き取り輸送したとの事で、狂いが生じていることを懸念し実機確認開始。
上下金型・中間板・ダイホルダーを取り外して、機体状況を確認。
上下テーブルには経年劣化が視認できるものの座屈等は無い様子。
座屈による精度不良の場合は、上下テーブルの修正機械加工が必要になります。
この機体もNSシャーと同じく、ホームセンターで購入のレベルゲージでご自身でレベル調整との事。
まずはレベル確認から。
傾斜地に鋼板を敷きその上に切り板を並べた状態でのレベル調整である事を確認。弊社水準器での計測では大きく振り切っている状況。
レベル調整から開始。
下部テーブル上面を砥石掛け等で整地して水準器を配置。
左右側板内側のレベルピンに、水準器接地ジグプレートを置き水準器を配置。
各レベル調整ボルトを用いてレベル調整を開始。
後部2か所は錆びておりかなり硬い状態から開始。
左右は0-0に調整完了。
RGの下部テーブル左端には、製造時のレベル調整刻印が打たれています。刻印の配置で傾斜方向が分かるようになっているので、これを元に前後方向のレベルを調整。
前後方向も良好になりました。
上部テーブル下面および下部テーブル上面・側面を砥石掛け等で整地
ベンダーの平行度計測ジグにダイアルをセットし平行度を計測開始。
下部テーブルに平行度ジグを配置して60mm位置と10mm位置を計測
60mm位置で左0-右0.05
10mm位置で左0-右0.01 と平行度誤差は0.04
良好な部類である事から、当日中に修正可能と判断し、別日の工事は必要が無いことをお伝えしそのまま調整を継続。
シャーリングやベンダーなどコの字フレームの機械ではレベル調整が非常に重要です。レベル不良の機体では、フレームの歪みを解消させるだけでもかなり精度が復旧するケースがあります。
金型作用点に近い60mm位置で左0-右0になるよう平行度を調整
10mm位置との平行度誤差は0.04のままですが、金型ポイントでの状態は良くなります。
平行度が許容値内である事から中間板を調整することで曲げ精度は、かなり良好になると思われます。
この機体では中間板のクサビ位置がメチャクチャで、固定ボルトも3カ所ほど緩んだままの状態だったので、中間板調整の効果は高いと見込まれます。
中間板を1個ずつ清掃し、加工面を砥石掛け等で整地
クサビの固定ボルトは開放し調整準備位置で仮固定
クサビにゴミが付着していると正しく精度調整出来ないため清掃
12枚を所定の位置に取り付け準備
上部テーブルの取り付け面も砥石掛け等で整地
準備が完了した中間板から、上下逆様に下部テーブル上に並べて取り付け準備
中間板を所定の位置に仮付けしたら、中間板専用加圧ジグで基本圧力(圧力ゲージの金型合わせ圧力でOKです)で加圧し、締め金を増し締めし中間板を基本位置に設置完了。
上部テーブルに測定値をメモれるように養生テープを貼り付けます。
中間板カーブ測定ダイアルで全中間板の出端を測定計測
ここから砲金棒とハンマーでクサビを入れ込み、RG-80の基本中間板カーブ数値になるよう各中間板を調整
基本の中間板カーブに調整完了
調整が完了したので、締め付け板・ダイホルダー・上下金型を取り付けて曲げテストを実施していただきました。
金型も譲り受けたものばかりとの事で、金型長さがマチマチで、先端の状態も揃っていなかったりしていますが、全体の曲げは依然と比較して極めて良好になったとの事。
RGの方が早く復旧できたため、シャーリング班の板押さえ消耗品交換を手伝っている際に、曲げが良くなったのでヘミング加工がしたいから金型のご要望を頂戴しました。
新品は高価すぎるので、中古でとのご要望を頂戴しました。
同業他社で金型をたくさん所有されている会社より、上型先端研磨状態での納品をご提案。
後日、ヘミング金型の入荷と研磨が完了したため取り付け日程を調整いただき、再訪問。
訪問時に、新たにNSシャー切断不良とRGの曲げ不良が発生しているから見て欲しいとのご要望を頂戴しました。
NSシャーでは右端のみ切断出来ずに、材料噛み込み状態で停止を確認。
各部を確認するうちに、ストロークが安定していないことが視認できたため、ストロークカウンターを調整すると調整すぐは切断が出来て、しばらくすると切断不良になることを確認。
推測になることをお伝えし、油圧ユニットおよびストロークカウンターの不安定性により左端の下降端位置が変化しているため、下降端まで降りきらない場合のみ切断不良になっていることをご確認いただきました。
立ち上げ時やストロークカウンター調整時に、何度かフットSWを踏んでのカラ運転もしくは連転動作を実施し、下降端が安定した状態で使用されるようにご提案。
実際に、当日弊社で下降端までの稼働確認後の切断は良好に切断出来ていたので、次回以降この手順でご使用いただく事に。
RGの曲げ不良確認では、金型継ぎ目部で曲げ変化が発生していることから上型を確認したところ、右と左の上型が90度と88度を配置されていることを確認。金型角度があったものを使用いただくか、金型をお預かりして研磨調整するかをご提案。
保管している金型がまだほかにもあるとの事で同じ角度のものを配置いただき、良好に曲がることを確認。
曲げテストが良好になったため、不具合は解消。
上下金型を取り外して、ヘミング金型を実装しご使用いただきました。
良好にヘミング加工が出来たため、作業完了。
再訪問時は修理ではなかったので画像撮影を失念しました。
ご依頼ありがとうございました。
おかしいなと感じたら早めの修理を。
最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで半年~1年以上かかるケースも増加中です。
年々部品価格も上昇傾向にあり早めの修理をお勧めします。
弊社ではこのように生産終了機や整備終了機も含めて、出来る限り修理対応に努めています。
アマダ社既納入機に関しては、直接対応はできませんが、弊社が平素お世話になる修理部門へのナビゲートは可能ですので、ご相談ください。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。
まずはご相談ください。
