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シャーリング:M-3045 稼働停止 駆動部不具合の現地修理 その1

 

 

機械商社様より『以前に販売したアマダ社製シャーリングで、ギヤが噛み込んでしまい稼働停止のため修理を依頼したい』とご相談を頂戴しました。

 

まずは機械状況をヒアリング。

稼働時ギヤが噛み込んだのか、現状の位置から動こうとしないとの事

サーマルトリップ等ではない様子なので実機確認し不具合原因を究明する必要があることをお伝えし、実機不具合確認のご依頼を頂戴しました。

 

ユーザー様工場への訪問日を日程調整し訪問。

 

 


 

 

実機確認させていただくと、すごい異臭が発生し、駆動はしようとするのでギヤ噛み込みまでは行っていないものの稼働は出来ず。

異臭はVベルトが適正に回ることが出来ず、擦れてしまうため発生します。滑りが発生している機体ではカバーを外した時点で異臭を感じることが出来ます。 

 

大歯車も回転出来ないので停止状態で目視確認すると台形ギヤが磨滅に近い状態まで損耗。

 

M-4065などで実装される中間ギヤではよくこのような症状まで摩耗することはありますが、M-3045の大歯車でここまでの損耗は、Mシャーで千台以上の修理実績がある弊社整備事例の中でもレアなケースです。 


 

 

 

【 参考画像 】

以前に修理させていただいたMシャー大型機の中間ギヤ摩耗の例

 

右の画像の様にペラペラに摩耗した状況でも、弊社工場での受入動作確認時にはかろうじて稼働することが出来たため驚きました。

 

アマダ社のMシャーは素晴らしいですね。

 

 

 


 

 

【 参考画像 】

 

このMシャー大型機では、駆動部OH(オーバーホール)内容での御依頼でしたので、大歯車・中間ギヤなども新品交換しました。

 

中間ギヤがあるとクレーン等機材が必要となり、現地での修理作業が非常に難しくなるため、ほとんどが弊社工場へ搬入いただく引き取り修理となります。

 

ユーザー様工場での機材環境が整っていれば現地修理対応も可能。

 

 

 


 

 

このような事例を踏まえて、今回ご相談のM-3045でも 大歯車がここまで磨滅するとピニオン軸のギヤも当然摩耗しているだろうなと言う事で、見にくい箇所ではあるものの目視確認。

 

やはり台形ギヤが先端が尖った状態であることを確認。

 

おそらく、現在の停止位置でかみ合っているギヤ同士の部分は完全磨滅しており、F/W(フライホイール)の駆動力を伝えきれず稼働停止の原因で有る事は容易に推測できます。

 

過去ブログではM-2060でピニオン軸が磨滅して稼働停止の例も掲載しています。


 

 

 

ギヤが磨滅するほどの損耗状態であることから各部を目視確認。

 

プーリーは50Hz仕様であることから東日本エリアで出た機体が、西日本に流れ着いたことが分かります。

 

プーリーの摩耗も進み、Vベルトがプーリー外周より内側に埋没。

 

プーリーが摩耗したこの状態でも通常は稼働は出来ますが、V溝はR溝近くまで損耗していることは推測でき、交換判定箇所です。

 

 

 


 

 

 

 

Vベルトも剥離が始まっており、交換判定箇所です。

 

F/W(フライホイール)のV溝も摩耗はしているものの、F/Wそのものは再利用できそうです。

 

F/Wは高額部品のため、ベアリング打ち込み面の損耗が無い限り、あまり交換判定にはなりません。もちろん交換ご希望の場合は交換可能な個所ではあります。

 

 

 


 

 

 

 

クラッチについても実装状態や隙間の目視確認で、摩耗の進行状況と偏摩耗による隙間の不均衡があり交換判定箇所です。

 

 

大歯車の上に少し写っている給油配管は給油出来ない状況になっていました。

摩耗時に発生する鉄粉で詰まっているだけなのか、給油経路で異常が発生しているのか、修理時にはこの部位も確認し修理・修正する必要があります。

 

 


 

 

 

ブレーキは適正な使用限界を超えて鉄粉を吹いており、磁化した鉄粉がブレーキや機械本体に付着していることが分かります。

 

もちろん今回交換が必要な個所となります。

 

不具合原因としては、クラッチ&ブレーキの損耗限界を超えて滑りが発生していたと思いますが、その後も切断が出来るのでギヤ磨滅まで使用し続けてしまったことだと推測されます。

 

少なくとも大歯車から外側はOH(オーバーホール)が必要な状態と判断せざるをえない状況です。

 

 


ここまで損耗が進んでいるとコンロッドの偏芯板ブッシュや左右側板で駆動軸を受けている軸受けブッシュの損耗、駆動軸の大歯車キーなどの損耗も懸念されるポイントになります。

 

シューターを取り外して偏芯板ブッシュ隙間をシクネスで測定し、幸いにも弊社実績統計での交換目安隙間以内であることを確認。

 

コンロッドをジャッキアップしての隙間確認でも今すぐに交換が必要な状況ではないことを確認。

 

次に駆動軸をジャッキアップし軸受けブッシュの摩耗度をダイアルゲージで測定し、こちらも外観や数値的には今すぐに交換が必要な状況ではないことを確認。

 

大歯車のキーは大歯車を取り外してみないことには判別不能で有る事、キー溝摩耗の場合は特キーを作成して修理対応するか駆動軸交換が必要であること、また駆動軸が再利用可能であったとしてもクレーン等の機材が揃った環境でないため、駆動軸振り回し精度確認が出来ないのでこの項目は割愛させていただく事をお伝えし、現地限定修理での見積を提出させていただく事になり、実機現状確認を終了。

 


おかしいなと感じたら早めの修理を。

最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで半年~1年以上かかるケースも増加中です。

年々部品価格も上昇傾向にあり早めの修理をお勧めします。

 

弊社ではこのように生産終了機や整備終了機でも出来る限り修理対応に努めています。

 

アマダ社既納入機に関しては、直接対応はできませんが、弊社が平素お世話になる修理部門へのナビゲートは可能ですので、ご相談ください。

 

㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。

まずはご相談ください。