数年前に機械商社様より購入し使用していたシャーリングが出火し
動かず、修理してくれるところが無いとご相談を頂戴しました。
まずは状況把握のための実機確認作業依頼を頂戴しました。
実機確認してその日に修理出来る箇所であれば修理しますが、症状によっては部品手配や部品作成が必要になるため後日改めて修理作業と
なる場合がほとんどです。
アマダ社ご依頼案件では全国のサービスマンの方が事前に不具合個所を確認の上、交換部品や作業内容を決定いただいてから弊社が伺えるので安心ですが、今回は弊社で不具合個所を判別しないといけないのでサービスの方の苦労が身に沁みます。
ユーザー様に伺うと機械上部からの出火ですぐに機械が止まり、消火器で鎮火したとのお話を受け、焼損個所を確認。
どうやらモーターから出火した模様。
すぐに消火作業にあたられたため、アキュームレーターや油圧配管、
電気配線には焼損は見られない状況。
モーターの在庫確認をし交換作業をする必要がある旨をお伝えし、
修理見積の依頼を頂戴しました。
この日は復旧できる見込みも無いことから、工場側ブレーカを落としていただき当面使用禁止としていただきました。
会社に戻り、アマダ社にモーターの在庫確認をしたところ、モーターメーカーの規格変更等で新品モーターは対応品は無く修理品対応しかないとの事。
弊社でモーターを巻き直し対応するしかなく、再度訪問しモーターを
取外してお預かりすることに。
モーター修理とは別に切断能力が落ちているので、中古機購入時に、
同梱されていた新刃に交換作業もご依頼を頂戴しました。
モーターの巻きなおし修理を終え、修正モーターとブレード交換治具等機材をもって再度訪問。
モーターを取り付けて試運転したところ微かに焦げ臭いにおいがしたためすぐに機械を停止し各部を確認したところ、フレームの外側に
落としてある配線個所にビニールテープでの補修箇所を発見。
ビニールテープを剥がすと配線の被覆が剥けた個所を確認。
どうやら中古機を購入されたときからずっとこの状態で稼働していた様子。
配線を交換する必要があるため、再度作業停止。
古い機械のため、もちろんの事ながら配線の在庫は無く、弊社で配線を購入して作成。
ケーブルカバーもすでに入手不可との事で再利用
巻き直しモーターと配線を取付けてテスターで確認ののち稼働確認。
幸い焼損の影響個所は無く、各部良好に稼働するため、ブレード交換作業に。
ユーザー様に新品ブレードと案内を受けていましたが、開封すると
刃欠けが見られる研磨刃でした。
さらにアマダ正規研磨でないため磁化したブレードであることをユーザー様に説明し上刃は残2面となることをご了承の上で交換することに。
厚物加工では磁化したブレードでもそれほど影響は出ないと思いますが、薄物加工の場合は磁化したブレードに材料が引かれ切断に影響が出るため、弊社では正規研磨をお勧めしています。
上下ブレードを交換させていただき、ブレード高さ調整、クリアランス調整を実施。
レーキ角による変動数値も確認。
この年代の機体にしては偏芯カムの損耗も良好で変動数値も良好。
上刃は残2面、下刃は残3面、ブレード厚みも測定し再研磨の可否も
報告の上、切断テストを実施いただき良好に切断との事。
ご依頼ありがとうございました。
ご相談から復旧まで数回の作業となりましたが、弊社近隣のユーザー様で良かったと感じます。
おかしいなと感じたら早めの修理を。
最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで２～３月以上かかることもあります。
2023年度より部品価格も上昇傾向にあり早めの修理がお勧めです。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。
まずはご相談ください。