弊社HPへのお問合せで、SPH-30Cで一晩おくとラムが落ちている、
シリンダーや圧力計の表面からも油漏れが発生しているので修理を
ご要望。
中古で購入された機体でユーザー様工場内にアマダ社製品はこれ1台でアマダ社との取引無く、依頼先に困り、修理会社を探されたとの事。
まずは実機下見に伺い、仕様や年式、タイプなどを確認
シリンダーから油が滲み、シリンダーパッキン類は経年劣化していることが容易に分かります。
上部にも薄っすらと油が滲みだしていることを確認
ご相談内容で、圧力計表面から?と思っていましたが、背面の継ぎ手からは油漏れがない様子。表面は伺った際には滲みが確認出来ませんでした。
自重落下はシリンダー消耗品でほとんどの場合が修復する事が多いですが、稀にバルブやその他箇所の経年劣化と複合原因の場合がある事をお伝えし、また油圧マシンなので1度解体することで、シリンダー消耗品のスケールがバルブや切替ブロックに回ってしまうリスクと、すでに入手が難しくなってきている部品がある事を説明。
リスクをご了承いただき、御見積を提出することに。
帰り際に、フットSWの効きが悪い時があるとの事で、フットSWを解体するとLS当たり面が経年劣化で摩耗しているため正規に修理するにはLSと板金部品交換が必要と説明。再発するかも知れませんが部分修理で良ければ実施可能とお伝えし、部分修理で復旧。
御見積書にてご検討いただき、修理依頼を頂戴しました。
アマダ社へ消耗品や圧力計を注文
弊社は正規オーバーホール工場のため、アマダ社より正規部品を購入する事が可能です。
部品が届き、日程調整の上、修理実施
この機種のシリンダー交換では脚立とクレーンが必要です。
ユーザー様にスペースやクレーンを確保いただき修理開始
まずは作動油をポンプで抜き取り
蓋を開けると経年劣化による変色と異臭が。
油量も油面計を少し下回るほど減少
抜き取ってもタンク内壁や底にはスケールや汚れが付着
清掃するとタンク内の状態は良好な様子
ポンプのメイバンも読めるようになりました
この状態でストレーナーの具合を確認するため放置して、シリンダー消耗品を交換
シリンダーの位置や高さを確認・計測してから解体
SPH-60のボルトは緩めにくいですが、30は容易に緩める事が可能
ピストンを抜き取ると、この画像では分かりにくいですがパッキンがボロボロになり茶色く変色していました。
自重落下する機体に多く見られる経年劣化個所です。
シリンダーやピストンの状態を確認しながら消耗品を交換
新品のパッキン(白色)に交換するとその差が分かると思います
シリンダー内部も解体して洗浄清掃し各部品を確認。少々摺動傷が入っているのでユーザー様に目視ご確認いただき消耗品を交換して組立て
稼働具合などを確認して単品組付け完了
測定値を元に組み直していきます。
放置していたストレーナーからの油にじみを確認
ストレーナーは良好に働いている様子なので、追加交換なく現状のまま使用可能と判断
アマダ社純正オイルに交換し、エア抜き
適正油量に充填し蓋を閉めて稼働準備
SPHでシリンダー消耗品交換の場合はハンドルとシリンダー位置が狂うので、今回も再調整
調整位置が悪いとハンドルが重くなったり、上限、下限位置が狂ったままになります。
今回も何度か微調整を繰り返し、ユーザー様にご確認いただき完了
50分ほど放置してながらカバー等を取付け
50分放置後の自重落下は0mmで良好に修理完了
稼働状況、加圧状況をご確認いただき工事完了です。
初回に修理したフットSWもあれからは良好との事で工事完了です。
御依頼ありがとうございました。
おかしいなと感じたら早めの修理を。
最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかることも増加中です。
年々部品価格も上昇傾向にあり早めの修理をお勧めします。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。
まずはご相談ください。