· 

Vカット:レベル変化 Y突き当て寸法

 

 

2017年に、V-6012を下取りさせていただき、弊社整備機V-4012を入替ご購入いただいたユーザー様から、『地盤か、地震の影響かレベルが狂い製品精度が出ない』とご相談がありレベル確認を実施することに。

 

実機確認するとレベル調整を試みられたとの事で中央付近3か所のレベル調整ジャッキボルトの固定ナットが緩められていました。

 

まずはこの状態で右・中央・左の3点でレベル確認

全箇所において0.1超右側が高い状態になっていました。

2017年の納入据付時には全箇所0.02以内に調整しているので、0.08以上レベルが狂っている状態

 

 


 

 

現状で、V溝精度もY軸寸法精度も不良になってしまったとの事。

 

テーブル上面で原点0合わせでの測定結果は最大0.12の不良個所を確認

(※弊社整備時出荷時および据付納入確認時は全箇所0.015未満)

 

この状態ではV溝深さが安定せず、次工程ベンダーでの曲げ精度に大きく影響します。

 

Y軸寸法に関与するY軸ガタを確認

ガタ自体はほぼ無く、突き当て寸法が各部においてバラバラになっている状態を確認。突き当てチップなどの摩耗や突き当て自体のガタ分を各部で個々にシム調整されているため通りが出ていない状態。

(※整備出荷および据付納入時は全箇所0.02以内に調整個所)


 

 

 

2017年の整備出荷時にテーブル研磨後の精度0.015未満、突き当て寸法誤差0.02以内で調整出荷。

 

納入据付作業時確認でも上記精度内を確認しているため、6年ほど経過し、かなり悪化している模様。

 

製品を見せていただいても曲げや寸法にかなりの悪影響を確認。

 

(※右は2017年整備完了後、ユーザー様実機立会検査等当時の画像)

 

 


 

土間を確認すると左から中央を超えて2/3ほどはフラットですが、右は少し下がり傾斜。もしかすると地震等の影響で右側にほんの少しずれてしまったのかも知れません。

(据付時に移設も考慮してアンカー不要との事でアンカー無し)

 

全ジャッキを開放してレベル調整を実施

3カ所全点で0.02以内に調整完了

この状態でテーブル上面精度は最大0.06以内に良化

テーブル上面を0.015以内にするにはフロントフィクサーを開放し調整が必要なため、今回は不要との事。

 

Y軸突き当て寸法精度も突き当て左右全点で0.05未満に調整

ユーザー様ご準備のシムでは0.02までの調整は出来ずこの状態でOKとの事。


 

Z軸原点調整を実施

これによりバイト高さも良化

 

テスト加工を実施いただき、V溝もかなりの良化

次工程ベンダーでの曲げ精度も寸法精度も製品精度内との事

 

作業完了

 

入手困難な機種のため、また大事にご使用ください。

 


おかしいなと感じたら早めの修理を。

最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかることも増加中です。

年々部品価格も上昇傾向にあり早めの修理をお勧めします。

 

㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。

まずはご相談ください。