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シャーリング:板押さえ2度落ち、油漏れ

 

 

いつもお世話になっている加工屋さんから、『知り合いのユーザー様シャーリングで板押さえが2度落ちてくる』との相談を頂戴しました。

 

1ショットで板押さえが2度落ちてくるという現象は、ドライブのオーバーランしか考えられません。

 

オーバーランする事でヘンシンカムが2回目板押さえピストンを押していると2度落ちする結果になります。

 

実機を確認するとC/B(クラッチ、ブレーキ)ともにかなり旧タイプの

機体です。

 

機種はM-2545

 


 

クラッチ、ブレーキともに在庫が有ったので、持参し訪問。

 

かなり古く経年劣化は見られるものの今すぐ交換が必要なほど摩耗はしていない様子。

 

使用状況を伺うと薄物切断では2度落ちしないが、T4.5の縞板鋼板切断時によく発生するとの事、縞板鋼板のため通常のT4.5より負荷がかかり若干C/Bが滑っていると思われます。

 

まだもう少し使用できる状況のため、高額部品の交換ではなく、調整をお勧めし、上死点位置調整を実施。

 


 

 

調整後にテストカットを実施いただき、板押さえの2度落ちも解消し良好に切断可能との事。

 

 

2度落ち不具合修理完了後に、別件でと板押さえの油漏れ、油にじみのご相談があり、実機確認。

 

旧エア抜きプラグタイプでこの個所より油にじみ発生。

板押えは数本から油漏れ、油にじみ有り。

パッドもかなり経年劣化が進んおり、消耗品交換をご提案。

 

稀にシリンダーやピストンに傷が摺動傷があり油漏れが止まらず、この場合は板押さえASSY交換が必要になる事をご説明。

 

消耗品交換をご要望いただきましたので、部品手配し、後日再工事を実施することに。


 

 

 

 

 

 

消耗品類が入荷したので、再度訪問。

 

板押さえを取り外して消耗品交換を開始。

 

洗浄清掃の際に、ユーザー様にはコンプレッサーが無いとの事で、幸い弊社近隣のユーザー様の為、工場へ持ち帰り部品専用の洗い場で洗浄清掃を実施し、消耗品類を交換。

 

 

 


 

 

 

シリンダー形状が旧タイプの中でも最もパッキン交換がしにくいタイプの板押さえでした。

 

万力で固定してジグを使用して1個ずつ丁寧に交換。

 

急に工場に持ち帰り実施することになりましたが、正解でした。

 

組替て持参し取付。

 


 

 

旧タイプメクラプラグは高額で納期も掛かります。

また、ユーザー様ではエア抜き工程は自社では実施しないとの事なので、安価な現行タイプのプラグに換装。

 

消耗品交換した遺体押えを取り付けて稼働確認。

 

うち1個で油にじみが発生したので、再度消耗品を交換。

弊社工場内で丁寧に組み上げましたが、交換が一番困難なタイプだったため挿入時に微細な傷をつけた模様。

交換後は良好なため、エア抜き作業と圧力調整を実施。

 

ユーザー様にテストカットを実施していただき良好との事。

 

一連の作業完了です。

御依頼ありがとうございました。

 

まだまだ活躍すると思うので大切にご使用ください。

 


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