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Vカット スライダー交換

 

 

 

 

Vカットのスライダー交換の御依頼を頂戴しました。

 

バイトホルダー固定ボルト部分のネジが傷み、固定が出来なくなったためスライダー交換します。

 

生産終了後もステンレス曲げ加工には重要な機種で、大切にお使いのユーザー様が多い機械です。

 

 

 


 

 

 

 

 

固定ボルトのネジが傷むと一回り大きい径のボルトに交換できますがそのサイズのネジも痛むとスライダー交換が必要です。

 

スライダーは鋳物のためトルクレンチ等で適正に締める事が重要です

 

今回のユーザー様では5本中3本を一回り大きいネジに交換しご使用になられていましたが、この3本もネジが傷み、固定が甘くなったとの事でスライダー交換を実施します。

 

 


 

 

 

 

 

 

まずはスライダーヘッド部分のカバーを開放。

 

カバー開閉のダンパーも経年劣化の様子で開き状態に出来ないため強制的に開放状態に。


 

 

 

 

 

この機種は原点調整やOT調整がやや難しい機種のため、工事前に現在の原点位置、バイトハイト誤差などを確認。

 

バイト原点ユニットも不良のため、Z原点寸法もバラつくため数度の原点取りを繰り返し近似値を控えておきます。

 

 


 

 

 

 

 

近接スイッチや電気配線、配管類を取り外して、スライダーを解体します。

 

今回はZ軸LMガイドやZ軸ボールネジの交換は含まれず、再利用のため各部洗浄清掃します。

 

 

 


 

 

 

 

バルブ類も再利用のため、洗浄清掃、バフ掛けし新しいスライダーに移植します。

 

バイト高さ調整ノブや配管類も移植

 

 


 

 

 

ベース部分の洗浄清掃、LMガイドブロックに混入した切子やシート材を丁寧に除去。

 

加工面はバフ掛け、砥石掛けなどを実施し、組付け時の精度調整がスムーズに行えるよう整えます。

 

切れかけた近接配線も見つかったため復旧修理を実施

 

 

 


 

 

 

 

 

 

ベース部の組付け準備が完了したら新品のスライダーを取付けます。

 

LMガイドブロックの位置やOリングに十分注意して取付。

 

 

 


 

近接スイッチを配置し、配線を取りまとめ、配管やZ軸ガイドローラーなども調整し稼働確認。

 

稼働確認も良好のため、バイト原点調整を実施。

 

バイト原点が取れないトラブル発生。

ユーザー様に確認したところ数回位置を動かしトライしないと原点が取れない事が多々あるとの事。

 

バイト原点ユニットを解体し、中のスケールを洗浄清掃で除去し配線を補修し再稼働。

 

スムーズに原点取りが出来るようになりました。

 


 

 

OT調整も完了し、新刃をハイト調整しカッティングヘッドを取り付けて試運転。

 

ユーザー様では1パス目に0.9ほどV溝を入れておられたので適正値をご説明し運用方法を変更いただき試作。

 

良好に加工が出来るようになったとと事。

 

ご依頼ありがとうございました。

希少な機種ですので大切にご使用ください。

 

 


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