EM-255NT タレットベアリング交換の御依頼を頂戴しました。
MP付のため事前にMPを一部解体しスペースを確保いただき工事開始
ショットピンアラーム点灯状態という事で、上下いずれかのタレットベアリングに異常が発生していると思われます。
まずは上下タレットベースASSYにアプローチ出来るよう部品を解体。
上部タレットベアリング 損耗具合
上部タレットベアリングには偏摩耗が発生しており、エンスイコロジクウケの場所場所により重い軽いを繰り返して回転する状況。
この現象が発生するとショットピンアラームの原因となります。
タレット精度も異常値となり、金型をいくら研磨してももたない状態や製品にかなりのバリが発生する状況になります。
下部タレットベアリング 損耗具合
下部タレットベアリングはまだ偏摩耗は発生していませんが、経年劣化とともにプリロードが抜けて軽い状態になり指先で簡単に回転する状況
こちらはCOMA、PEGA、VIPROS、APELIO、EMなどどの機種でも経年劣化と共にプリロード抜けで発生する現象です。
アラームには関与しませんが、ベアリングの損耗が進むと金型摩耗や製品のバリ発生に繋がります。
今回は、ユーザー様所在地が弊社近隣(大阪府内)のため、上下ベースASSYを工場に持ち帰り再生します。
上部タレットベースASSY
COMA、PEGA、VIPROS、APELIOなどでは取り外しが出来ないため、機械本体ごと弊社工場にお預かりしないと交換作業が出来ませんでしたが、
EMやEMZなどではベースASSYを取り外すことが出来て柔軟に対応する事が出来るように進化しました。
下部タレットベースASSY
下部タレット
今回の工事ではタレットベアリングとシャフト、スプロケット、チェーンのみ交換なので上下タレットは工場内で再生処理を実施し再利用です。
上部タレットはボア径摩耗が無ければ再利用も可能です。
下部タレットもディスクサポートによる摩耗が無ければ再利用可能。
上部タレット
タレットシャフト
ベアリングは経年劣化の焼けが入り変色。
まだ外輪の浸食は始まっていないので不具合程度としては初期症状のうちの交換工事。
タレットベアリング
洗浄清掃したベースに新しいベアリングやシャフトを組付け。
上下ベースASSYともアマダ社組付け精度基準に基づき単体調整。
弊社はこのような作業ばかりを実施する専用工場なので、ユーザー様工場内で組み換え作業を実施させていただくより、スムーズに組み替える事が出来ます。
弊社工場内での上下ベースASSY組替が完了
ユーザー様機体の取付部を洗浄清掃し取付復旧準備
上部ベースASSY、下部ベースASSYをドッキングしたら本体との精度調整を実施。
今回2AI(オートインデックス)は一部部品を除いて再利用再調整です。
上下ベースASSYと同時に弊社工場へ持ち帰り部品全点は洗浄清掃ずみ
精度調整を実施しながら復旧
ダイホルダーも再生処理を実施し、取り付けて芯出し調整を実施
打ち抜きテストを実施後、ユーザー様にお引渡し
ユーザー様でのライン製品加工も良好との事で工事完了です。
ご依頼ありがとうございました。
また5年、10年と大切にご使用ください。
おかしいなと感じたら早めの修理を。
最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかることもあります。
2023年度より部品価格も上昇傾向にあり早めの修理がお勧めです。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。
まずはご相談ください。