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ベンダー:下部テーブル ボア径摩耗-1 実機確認時

 

アマダ社サービスマンの方から、RG-80で平行が13mmほど狂っていて現地再調整しても5mm程度までしか復旧出来ないので引上げ修理判定を頂戴しました。

 

弊社近隣のユーザー様の為、実機確認と再度平行調整を実施に伺いました。

 

サービスの方が調整されたにも関わらず再度7mm以上平行が狂っている状況、40年以上の整備歴で懸念される点は、下部テーブルボア径摩耗、左右ガイドローラー破損、メインシリンダーかポストの破損、前後ガイドローラー破損、吊りボルト破損、上部テーブル調整コマ部の破損などが相当するため各部を確認することに。

 


 

 

 

前後ガイドローラーは全箇所スムーズに回転しており、下部テーブルとの接触状況も良好。スタッドボルトも溶接はずれや変形も無く、特に異常は見当たらず。

 

片荷重をかけてしまい、テーブル平行度が狂ってしまう場合やポストおよびメインシリンダーの破損により平行度が狂う際には、異常な負荷が掛かりスタッドボルトの溶接はずれや変形が発生する場合があります。 溶接はずれに関しては機械がさびやすい環境での長期使用や

経年劣化でも1台の機械に付き1~2本外れていることがあります。

 

スタッドは交換可能です。

過去のブログでも修理の記事を掲載しています。


 

 

 

吊りボルトも、メインシリンダー、左右サブシリンダーともに良好。

 

シリンダー上部の球面座で下部テーブルを受けていますが、異常な負荷が掛かるとこの吊りボルト部を破損させたり、ボルトの変形や緩みが生じます。

 

過去のブログでもこの部位破損に関して修理を掲載しています。

 

 

 


 

 

 

 

メインシリンダー、ポスト、左右ガイドローラーの破損も無く接触や回転には問題なし。

 

ただし組付基準の所定位置にはなく、大きく位置ずれしている状態を確認。

 

一度すべてのローラーをフリーにして平行調整を実施。

全フリーからの調整でも2.5mm程度までしか改善せず。

 

不具合個所を調査することに。

 


 

 

 

 

再調整の状況

 

分かりづらい画像ですが、下部右ガイドローラーはヘンシンバン位置ロックコマからヘンシンバンがほぼ外れた状態。

 

 

 

 

 


 

 

 

再調整時の状況

 

上部の左ガイドローラーは、ヘンシンバンがポストに干渉する位置まで。。。 これが調整限界となり平行が2.5mmまでしか修正できない状況。

 

こうなると残る原因は下部テーブルのボア径摩耗か下部テーブル自体の変形が濃厚。

 

 

 

 


 

再々度左右ガイドローラーを全フリーにして各部ガイドローラーごとに状況を確認すると下部テーブルのボア径摩耗が確認出来ました。

 

再度平行調整を実施し2.5mmの状況で当面ご使用いただける状態に。

 

ユーザー様工場ではクレーン作業環境下に機械があるため、弊社工場引上修理でも、ユーザー様工場での現地修理でも可と判断。

 

アマダ社での部品納期を確認し後日ユーザー様工場で実施に。


おかしいなと感じたら早めの修理を。

最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかることもあります。

2023年度より部品価格も上昇傾向にあり早めの修理がお勧めです。

 

㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。

まずはご相談ください。