2023年7月実施
4月に2AIをフルOH(オーバーホール)させていただいた際に、上下の
タレットベアリングに経年劣化がある事が判明し、部品手配していた
上下タレットシャフトやベアリング類が揃いタレットベアリング交換を実施。
3カ月前に2AI部を実施させていただいているのでタレット回りは綺麗な状態で解体を開始。
上下タレットが取り付けられている上部ベース、下部ベースを解体。
2AI部も再度、全部全取外します。
ユーザー様工場内で実施させていただく場合はフォークリフトを用いて解体するため機体のフロント側にはかなりの取り回しスペースが、必要になります。
上部ベースが外れたので、次は下部ベースも解体します。
解体した上下ベースASSYは、それぞれをさらに解体していきます。
画像は上部ベースですが、解体のため上下ひっくり返っています。
全解体が完了すれば、新品部品交換組込みのためベースを丁寧に洗浄し加工面を整えます。
本体フレーム側も抜きカスや打痕、ボルト張力による盛り上がりなどを丁寧に修正し、上下ベースの取付した準備を実施します。
COMA、PEGA、VIPROSなど違い、下部まで現地で交換作業ができるようになりEMの大きな進化ポイントの1つだと思います。
タレット単体も丁寧に洗浄し、打痕や経年摩耗には砥石掛けなどを実施し取付準備します。
画像は58ST下部タレット
タレットベアリングの組み換えを終えて、上下ベースASSYそれぞれの単体精度調整を実施します。
上下ベースASSYの調整が整えば、本体フレームに再度ドッキング
限られたスペースで他に干渉させることなく正確な位置に取り付ける一番緊張する作業です。
スタッフ全員で全角度を確認しあいながら組込みます。
上下ベースASSYのドッキングが完了したら本体フレームとの総合調整を開始します。
ここの精度で正しく綺麗に、追い抜きでも段が無く製品加工する事が出来るかが決まる重要なポイントです。
多くの治具を用いて調整、研磨、確認作業を実施します。
タレットの調整が完了したらチェーンやT軸調整を実施
電源を再投入し2AIを組付け調整。
4月に実施していますが、さらに精度良く基準値に調整できました。
2AIも良好で慣らし運転が完了するとダイホルダーやブラシテーブルを戻していきます。
ユーザー様に打ち抜きテストおよび製品加工を実施しただきます。
製品確認も良好との事で工事完了です。
御依頼ありがとうございました。
タレットベアリング交換前の状況(チェーンを外し単体状態)
タレットベアリングの摩耗によりプリロード(与圧)が抜けて、指先だけで軽く回転を始め、微弱な加減速を繰り返しながら、停止時は力が逃げる箇所まで逆回転しています。
タレットベアリング交換後の状況(チェーンリンク前)
タレットベアリングを交換し適正なプリロードに調整した直後の状況
始動時は重く両手でしっかり回し始める必要があり、回転もすぐに停止します。
タレットベアリング、チェーンを新品交換し組み上げ直後の原点動作
ショットピン高さも調整済み
上下タレットがずれることなくスムーズに回転
停止時にはショットピンがスムーズに挿入されます。
タレットベアリング損耗時は、ショットピン挿入時に大きくずれたり、ショットピンが挿入できずアラーム点灯になりやすい状況となり
ショットピンは挿入できてもベアリングの摩耗分だけタレットが正常な状態をキープできず打ち抜き状態が悪化する傾向に。
金型の持ちが悪くなったり、バリやノコ刃が発生したりと製品にも影響が出てベアリングの交換依頼を頂戴します。
このような傾向や症状がある場合は、早めにタレットベアリングの交換をお勧めします。
おかしいなと感じたら早めの修理を。
最近では様々な部品の入手に時間が掛かり、機械が停止して修理まで2~3月以上かかることもあります。
2023年度より部品価格も上昇傾向にあり早めの修理がお勧めです。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の整備機販売、修理、オーバーホール、機械買取などを行っています。
まずはご相談ください。