アマダ製スイングシャーS-1213で油圧シリンダーの力を受けるラム上部のブロックおよびピボット部が破損したとの事で修理ご相談いただきました。
スイングシャー経年劣化による重大破損の例です。
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長年の加圧により損壊したピボット部
もちろん使用停止の状態です。
後継機種が無いため、何とか修理して使用したいとのご要望。
弊社工場搬入前に損壊したピボットを送付いただき現物を検証
ラム上部に頑強に溶接されているはずのブロックが加圧に耐えきれずに無残にも変形して溶接剥がれしています。
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40年以上のアマダ板金機械整備歴で数台ほどの修理例しかない破損個所です。
原因は経年の加圧によりブロック部分にピボットの油溝が付いてしまい
さらにグリス給油がうまくいかなくなる相乗効果でピボットが効果的に
シリンダー圧力を受けての摺動が出来なくなることでブロックに直に加圧の力がかかりラムとの溶接部を損壊させると考えられます。
数例しか修理案件がありませんがどれも同様に左画像のような油溝痕跡がブロックに刻まれています。
損壊を免れた右側のブロック画像
こちらにも油溝が薄っすらと刻まれ出しています。
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まずは事前に送られてきたS-1213ラムの図面から左右のブロックを事前に作成。どのタイプのシャーリンでもラムには傾斜角が付いているのでSシャー左右ブロックも違形の部品になります。
加工したての新品なので油溝は刻まれていません。
※これは破損したSシャーラム修正方法であり、アマダ新品製造当時の製造加工工程でのブロック加工方法とは異なります。
(すでに製造終了している機種のため新品機はありませんが)
ピボット含む交換部品が揃ったのでユーザー様機体を弊社工場へ搬入。
受入動作確認は実施できないためすぐにラムを解体。
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現地サービスマン、アマダ本社シャーリング部門からいただいた情報の通り左ブロック部は完全に損壊していました。
解体時の確認でグリス給油系統もすでに詰まっており、通例通りの破損状況であることが判明。
ラムを新造すると高額になるため事前に送られてきた図面通りに新造の左右ブロックを交換取付でラムを再利用。
※幸いにもこの機体の支点部分の摩耗は軽微であったためラムは再利用が可能でした。
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ラムブロック部にはこのようにピボットが収まり適切に給油されることによりシリンダーの加圧力を摺動しながら受け止めることが出来ます。
この部位で経年劣化によりピボット油溝がブロックに刻印され、偏摩耗の際にでるスケールがグリス給油を妨げて完全に摺動不能になることで加圧の力を方向転換できなくなりブロックの溶接部損壊に繋がると思われます。
画像は修正完了後のラムブロック部に新品ピボットと新品グリス配管を組付けた画像です。手で容易に摺動することを検査中。
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【 ピボット部破損 他の例 】
ご相談いただく案件には左画像のピボットの鍔部分が割れて欠損し、ピボットが左右にズレることでフレーム内壁と干渉している事例もあります。
切断のたびにギーギーと異常音がしているため弊社にご相談いただきました。
右がその機体のピボット部の画像
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その後、各部機体差に合わせて修正・調整を実施してラムを組み上げて所定の位置に組込完了。
稼働確認により給油がうまく行きわたりピボットがスムーズに摺動しているかラム傾斜やシリンダー伸縮に合わせて適正に稼働しているかなどを調整確認し加圧確認へ。
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ラムを取り外したのでブレードには清掃砥石掛けを実施しクリアランス調整。Sシャークリアランス調整機構も良好。
全圧加圧調整後に13mmテストカットも良好。
㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の中古機械 買取、販売、修理、整備などを行っています。
まずはご相談ください。