アマダ製メカニカルシャーではドライブ部品の摺動部分に砲金ブッシュ(=メタル)が使用されています。

 

軸受けブッシュはドライブシャフトを左右本体フレームで受ける箇所

偏芯板ブッシュは偏芯板とコンロッドの摺動部

リストピンブッシュはリストピンとラムの摺動部

これらブッシュは経年劣化損耗する部品なので受入動作確認検査時に、隙間を測定することで摺動部の隙間を測定し交換判定します。

 

摩耗が激しすぎて砲金粉が散っていたり、最悪のケースでは砲金部分が摩滅して軸受けの母材やコンロッド本体を抉ってしまっている機体も見られます。

 

右は偏芯板と偏芯板ブッシュの隙間を測定し交換判定の画像

 

 


 

コンロッドのブッシュはバックゲージやラムを降ろしてドライブ部を全解体しないとブッシュ交換が出来ない個所です。

 

大きい穴に偏芯板ブッシュを小さい穴にリストピンブッシュをそれぞれ挿入します。Mタイプではボア径の軽い修正でほとんどのコンロッドを修復できますが、アンダードライブ方式のDCTでは損耗が激しい場合はボア径修正が効かずコンロッドASSYを新造する事も多々あります。

まだまだ摩耗サンプルを集計中ですがおそらくは機械構造(切断方式)の違いからMとDCTで損耗個所に相違が出来るものと推察されます。

 

どちらも修理は可能です。交換するべき部品範囲の違いです。

 

左はMシャーのコンロッド画像


 

軸受けのブッシュはドライブシャフトを受けています。

 

アマダ製シャーリングは多くの機種で、右側に大歯車やF/W(フライホイール)などの駆動部品が多く配置されており、シャー角も右側が広い構造になっています。

 

切断時は左から順に刃が下りてくるので、切断寸法が左右で変わらないようにサイドゲージも基本的に右側に配置されます。

 

これらの負荷のためか左側より右側の損耗が大きい機体が多い傾向です

 

 


 

 

基本的には砲金ブッシュが負けるように材質選定されていると思いますが、経年劣化や給油切れなどから偏心板やドライブシャフト自体も損耗している場合があります。

 

これらの場合は偏心板やドライブシャフトまでも交換を実施します。

 

 

左は偏心ブッシュの油溝分が凸型に残った偏心板の様子です。

まだまだ軽微なほうですが、必要に応じて新品の偏心板に交換します。

 

同様にラムとコンロッドを連結するリストピンにも油溝が残るので必要に応じて交換します。


 

 

 

オーバーホールや整備作業、現地交換部品準備などの際はこれら部品を1つずつ組み上げたうえで擦り合わせ調整を実施し仮組してから機械に取り付けていきます。

 

左の画像は偏心板を組み込んだドライブシャフト、左・右コンロッド、

ダイハグルマ、ベアリングやカラーなどを交換したF/W、砥石掛けしたケーシングなどです。

この後、部位に応じた塗装を実施してから本組みに掛かります。

 


 

 

 

 

 

左は、弊社整備販売機で部品交換した際の右偏心板付近の画像です。

 

摺動部位なので給油が重要です。

給油関係部品も交換します。

 


 

 

 

 

 

 

 

右は、左偏心板付近の画像です。

 


 

軸受けブッシュは大歯車に隠れてみることが出来ませんが、右側板からみるとこのようになります。

Mシャー参考画像

 

ごく稀にドライブシャフトがくの字折れしている機体があります。

この機体もその1台で取り外したドライブシャフトが機体後方に写っています。

 

ドライブシャフトは基本的には交換しませんが、くの字折れの場合や、エアサポートのアームが干渉してドライブシャフトを摩耗させているケースなどでは精度や耐久性を考慮して交換を実施します。

 

現地工事などではユーザー様工場での組替えが困難なためASSYで部品を準備して交換を実施させていただいています。


㈱大阪プレスサービスでは、アマダ製板金機械の中古機械 買取、販売、修理、整備、仕様変更、オプション取付など様々な作業を行っています。

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