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パンチング:EMZ 2AI T220側修理

 

 

今年3月茨城県でのEMタレットベアリング交換工事の際に、近隣ユーザー様EMZの2AI(オートインデックス)T220側で上下金型間違いによりクラッシュが発生し修理依頼のご相談を頂戴し、修理可能と回答。

交換範囲と部品を選定の上、部品手配を開始されました。

 

 

部品が揃い、ユーザー様作業工程に合わせて修理工事を開始。

 

 

EMZ前期の機体ですが、綺麗にご使用の様子。

 

 

  


 

 

バキュームも初期型でダイホルダー奥にワンタッチが付くタイプ

 

 

基本的には修理依頼書に機種ごとの仕様情報が記載された修理依頼書が届きますが、このような小さな差異は現地で実機に触れて判明する事が多々あります。

 

弊社ではこのタイプの実績は1台しか無いので解体時にしっかりと配置や構造を確認しながらの作業となります。

 

しっかりマーカーする事と洗浄清掃の際には一度控えてから、再マーカーする事が必要になります。


 

 

基本構造は同じなので、差異さえ把握すればいつも通りの作業をしっかり実施するだけです。

 

まずはクラッシュの状況を確認。

発生した状況にもよりますが、2AI金型クラッシュで多いのがウォームホイールの変形、ウォームホイールとウォーム軸の咬み込みによる、Tジグ位置ズレ(X軸に対する平行度の上下異相)、ポイント軸の異相などなのでこれらの個所を上下の2AIでそれぞれ確認。

 

今回は金型上型に負荷が掛かった様子で上部の従動ポイント軸、ベベルギヤBOX、ウォームハウジングでそれぞれ位置ズレが発生し、総合的に上下で芯がズレた状態になっていることが判明。

 


 

 

2AI下部はそこそこ良好な状態を保っていましたが、タレット内の浮上式ブラシテーブルが経年劣化による部品破損で昇降できなくなっており、この状態では下部の解体が困難なため、仕方がなく、ダイホルダーを全撤去し浮上式ブラシテーブルユニットのブラシだけを取り外し。

 

これで2AI下部にアプローチが可能

 

下部の位置ズレは軽微ですが、ベアリング類は経年劣化でゴリゴリとした状態が発生しだしているので部品交換にはちょうど良かったかも知れません。

 


 

 

 

T220側の限定修理でしたが、仕様や浮上式ブラシテーブルの不調もあり2AIタレット内フルオーバーホール並みの解体状況となってしまいました。

 

これらは実機を前にしてみないと分からないので、個体に合わせて現地で判定しながら作業を進めます。

 

 


 

 

 

 

 

 

せっかくここまでバラしたので洗浄清掃しタレット全箇所を整地。

 

組立準備完了

 

 

 


 

 

 

アッパー、ロアベアリングASSYを組付けて専用の治具で芯出し調整

 

高精度治具も20角ジグも良好

 

PDC付きでは無いため、エジェクターパイプを叩いて金型交換されている様子でエジェクターパイプも補修が必要でした。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

従動ベベルギヤBOX、ウォームハウジング、ブレーキASSYを所定の位置に配置して精度調整準備


 

 

機体固有のオフセットを一時初期値に戻して最初から精度調整を実施

 

専用の治具で精度調整後に慣らし運転を実施

 

慣らし運転後の芯確認も良好

 

ジグを取り外してグリスを給油しカバーを取り付けていきます。

 

カバー取り付け後も干渉確認や芯確認を実施。

 


 

 

 

 

 

 

休憩中にユーザー様との会話で、金型交換や金型挿入が悪化しているとのお話があり、今回は全撤去にもなったのでダイホルダー、エジェクターパイプなども洗浄清掃しバフ掛け、砥石掛けなどで整地し組込準備。

 

 


 

 

 

 

 

 

金型もT256以外のST(ステーション)全点を一時撤去させていただいたので全金型を清掃して取付準備


 

 

ダイホルダー全STを芯出し

 

全STの金型を挿入

 

移動テーブルを取り付けて打ち抜き調整へ

 

テスト材料を頂戴し、2AI細部打ち抜き調整を実施。

オフセットを解除した状態で組み上げ、微調整必要なしの状態で復帰完了。

 

 

 

 

 


 

タレットカバーやドライブカバーを取り付けてユーザー様にお引渡し

 

ユーザー様による製品加工テストを実施いただき、綺麗に抜けると感謝の御言葉を頂戴し工事完了。

 

作業中も休憩のたびに『暑いから』と飲み物やアイスまで頂戴しありがとうございました。

 

上下金型の入れ間違いには注意してご使用ください。

 

御依頼ありがとうございました。

 

 


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